こんにちは。轄kエ翻訳事務所で論文翻訳を担当している平井と申します。
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医療において糖尿病が警戒されるのは、さまざまな重篤な病気を併発しやすいからです。一つには、動脈硬化の進行による心筋梗塞や狭心症(angina pectoris)、脳梗塞などの危険が挙げられます。動脈硬化とは、動脈の血管壁に変性したコレステロールが沈着し、内腔が狭くなって血液の流れが悪くなる状態を言います。
血管壁で血液と接している血管内皮細胞は、細胞同士が密着して内皮細胞シートを形成し、血管内を覆っています。このシートは、血管の弾力を保つ物質や、血液の凝固を防ぐ物質を分泌して、血液がスムーズに流れるようにしています。ところが、なんらかの要因でこのシートが傷つくと、血栓(thrombus)がつくられやすくなって、血液の流れが悪くなります。血管の分岐部も傷つきやすい部分です。この血管内皮細胞シートに傷をつける大きな要因の一つが、高血糖(hyperglycaemic condition)です。体内のタンパク質は血糖によって糖化を受け、劣化タンパク質に変質しますが、これが増えすぎると、内皮細胞に侵入して血管壁を傷つけてしまうのです。しかも、高血圧や高血糖症などがあると傷はさらに修復が遅れ、血栓が生じやすくなり、肥満による内皮脂肪の増加も血中の脂肪や悪玉アディポカインを増やすため、症状をさらに進行させてしまいます。
動脈硬化は軽度の糖尿病の場合でも起きやすいことが医学的にわかっています。また、境界型の人でも肥満、高血圧、高血糖症を併せ持つ場合は、同じ世代の糖尿病の人と同じ程度に動脈硬化が進行することが医学的に証明されています。その上、血糖値が高い人は、コレステロール値、血圧、肥満度が高まるにつれて心筋梗塞などの発症率が上がり、この4つの症状がそろった状態が長く続くほど、心筋梗塞や脳梗塞で亡くなる人の数も増えることが報告されています。
軽度の肥満、高血糖、高脂血症、高血圧のどれか一つでも姿を見せたら、水面下でほかの仲間が手をつないでいると思って、十分な警戒をすべきでしょう。
轄kエ翻訳事務所 論文翻訳担当:平井 |