翻訳家によるコラム:生物学・分子生物学・バイオ技術コラム

生物学・分子生物学・バイオ技術コラム by平井
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2012年02月16日
トクホの成長で焦る医薬品業界!!

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で論文翻訳を担当している平井と申します。

分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。

トクホとは特定保健用食品(food for specified health use)の略で、からだの生理学的機能(physiological function)などに影響を与える成分を含む食品をいいます。つまり、お腹の調子や血圧、血中コレステロール(blood cholesterol)などが気になるときに、その改善、予防または健康増進の目的で食べると効果があるとされている食品です。商品に「からだに良い」と書いてあれば、ついつい手を伸ばしちゃいますね。そんな気持ちにつけ込んだ悪い会社が、大した効果もないのに「からだに良い」と商品を売り出してはたいへんです。そんなことがないように、国が本当に効果があるかを調べ、認められた証が「トクホ」なんです。

トクホの売り上げが伸びるなか、焦ったのが医薬品業界(pharmaceutical sector)の一般大衆薬。一般大衆薬とは、医師の処方箋(prescription)がなくても街のドラッグストアで買える風邪薬や目薬、発毛剤(hair growth stimulant)といった薬をいいます。一般大衆薬は、どんな症状に効果があるかは記載しても、どれくらい効果があるかを示す数値的データは、パッケージにもTVなどの宣伝でもうたってきませんでした。消費者の誤解を招く可能性を考え、自主規制したのですが、血中コレステロール減少効果などをうたったトクホなどが売り上げを伸ばすのを目の当たりにし、一般大衆薬も効果があることを見せないとトクホに対抗できないと判断し、広告への数値データ掲載を解禁して徹底抗戦を開始しました。満を持して「この発毛剤によってこれだけ毛が生えました」とか、「この漢方薬を飲んでこれだけ皮下脂肪が減りました」というグラフが広告に載るようになりました。

この現象は消費者に商品を比較する際の知識を与えてくれるので、歓迎すべきことなのかもしれませんが、情報を正しく判断して自分に適した商品を購入することが肝要です。

轄kエ翻訳事務所   論文翻訳担当:平井