翻訳家によるコラム:生物学・分子生物学・バイオ技術コラム

生物学・分子生物学・バイオ技術コラム by平井
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2012年05月01日
二界説と五界説

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で論文翻訳を担当している平井と申します。

分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。

昔から、生物を分類する基準に「動物」と「植物」という分け方がありました。スーパーマーケットに並ぶ食材も、なんとなくこの2つに分けて考えていたのではないでしょうか。このような生物界の分け方を二界説といいます。これはリンネという人が18世紀に提唱した分類方法です。

ところが、最近はこの2種類だけに分ける方法では不十分であることがわかってきています。いまだにさまざまな分類方法が検討されていますが、現在最も有力な分類方法がホイタッカーという人が1959年に提唱した五界説です。この分類方法では生物界を、動物界、植物界、菌界(Fungi)、原生生物界(Protista)、モネラ界(Monera)に分けます。

菌界というのはカビやキノコの世界です。私たちはキノコを食べますし、カマンベールチーズ(Camembert cheese)などのように、カビのはたらきを利用して加工される食品も数多くあります。原生生物界、モネラ界というのは聞き慣れない分類です。原生生物界はアメーバやゾウリムシから藻類まで、からだのつくりの単純な生物の世界です。ワカメやコンブなどの海藻類はこの分類に入ります。モネラ界は細菌類などの世界であり、私たちはこの分類に属する乳酸菌やナットウ菌を利用しています。

ただし現在、生物の分類方法についてはどんどん新しい概念が持ち込まれてきていますから、この五界説以外の分類方法も提唱されています。同じ五界説でも、海藻類を植物界に分類するという考え方があるくらいです。

轄kエ翻訳事務所   論文翻訳担当:平井