翻訳家によるコラム:生物学・分子生物学・バイオ技術コラム

生物学・分子生物学・バイオ技術コラム by平井
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2012年08月15日
カルノサークルにおける無効エネルギー、エントロピー

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で論文翻訳を担当している平井と申します。

分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。

エントロピー(entropy)が明治時代に入ってきた時に日本語訳にできなかったことからもわかるように、現在の人にも厄介者として扱われているようです。本当は単純な定義なのですが、熱力学者としての特権を意識してカタカナ語単語で残したのかもしれません。これと同じように、エネルギーとエンタルピー(enthalpy)があります。エネルギーは今や地球資源(earth resource)と環境問題(environmental issues)とにリンクして誰でも言葉にしていますが、エネルギーの定義をしっかりと説明するのは容易ではありません。

エンタルピーh は流動していない気体(gas)の内部エネルギーuと圧力エネルギーpvとの和で、気体の有する全エネルギーを表していることから、気体の含有エネルギーとしても間違いではないでしょう。

エンタルピーも熱力学では重要な役割を果たしていますが、断熱変化を与えることの多い熱力学では熱の出入りがないために、エンタルピー変化量dS=0として扱われます。このために、熱機関の観点からはSが現れることはありません。それでも現実には摩擦(friction)などで損失するときに数値として現れます。蒸気のように液体と気体の混合物として変化するときの状態量をエントロピー値によって比較することができます。

轄kエ翻訳事務所   医学翻訳・分子生物学翻訳・生化学翻訳担当:平井