翻訳家によるコラム:生物学・分子生物学・バイオ技術コラム

生物学・分子生物学・バイオ技術コラム by平井
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2012年09月18日
プラズマ溶射法によるコーティング技術

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で論文翻訳を担当している平井と申します。

分子生物学やバイオテクノロジーをはじめとする生物学全般に関する翻訳や、医学論文、生化学、ライフサイエンスに関する翻訳など、生物学や医学において、複数の分野にまたがる翻訳も扱っています。指名でのご依頼もお受けしておりますのでご相談ください。

今日のテーマは、プラズマ溶射法によるコーティング技術による遮熱効果、耐酸化性、耐摩耗性、および耐腐食性の向上についてです。

ガス温度を上げることによりガスタービンの熱効率は向上します。そのため、部品材料の耐熱性を向上させますが、金属では限界があります。一方、セラミックスそのものでは金属よりも耐熱性がありますが、脆いという欠点があります。そこで、金属の表面にセラミックスのような熱を伝えにくい材料を薄く被覆することによって熱を遮断することが考案されました。また、高温ガスにさらされた金属は参加や腐食をしやすいために、コーティングは遮熱効果のほかに、高温酸化、腐食を抑制することもできます。タービンや燃焼器ライナーに適用されるケースです。

コーティングで重要なことは母材となる金属との密着性が良いこと、急激な温度変化に対して破損しないことです。そのため、コーティング層はアンダーコートとトップコートの2層からなっています。アンダーコートは高温耐酸化、高温耐食性に優れ、かつ母材となじみやすい合金、つまりニッケル(nickel)かコバルト(cobalt)の母材金属とクロム(chrome)、アルミ、イットリウム(yttrium)の合金を0.1〜0.2mm厚さとなるようにプラズマ溶射(plasma spraying)したものです。トップコート(topcoat)は熱伝導性の小さい、比較的膨張係数が母材に近いもので、酸化イットリウムを添加した酸化ジルコニアというセラミック層を0.2mm〜0.6mm厚さをプラズマ被覆したものです。

これにより遮熱効果(shielding effect)で100度程度温度が低くなります。また、2層構造のほか、3層構造、グラデーション型などもあります。

轄kエ翻訳事務所   医学翻訳・分子生物学翻訳・生化学翻訳担当:平井