こんにちは。轄kエ翻訳事務所でスポーツ分野の翻訳を担当している佐々木です。
今回のテーマは、ロンドンオリンピックの男子マラソンでカンボジア代表に内定している猫ひろしさんについてです。
コメディアンの猫ひろしさんが本格的にフルマラソンに挑戦したのは2008年の東京マラソンでした。その後、驚異的なペースで自己ベストを更新し、2012年2月に開催された別府大分毎日マラソンでは2時間30分台で完走。カンボジア代表内定の基準とされる2時間31分台もクリアし、3月にはロンドンオリンピックのカンボジア代表に内定したことが明らかになりました。
しかし、オリンピックへの資格に関して疑問を抱いた国際陸上競技連盟(International Association of Athletics Federations)がカンボジア陸上競技連盟(Khmer Amateur Athletic Federation)へ説明を求める事態に発展し、日本でも賛否両論が巻き起こっています。国際陸連の規定によると、国籍取得後1年が経過していない場合は、連続した1年の居住実績、もしくは国際陸連理事会による特例承認のいずれかが必要ですが、特例の承認を受けるには「重大かつ意義深い理由」がなければなりません。また、北京オリンピックでカンボジア代表を務めたヘム・ブンティン選手が4月15日のパリマラソン(Marathon de Paris)で2時間23分29秒の好タイムを記録したため、代表問題が泥沼化の様相を呈し始めました。
カンボジア国内で行われる代表発表会見は予定が決まっていない状況で、当面は収束の見通しが立っていません。ロンドンオリンピック出場を目指してカンボジア国籍を取得した猫ひろしさんと北京オリンピック代表のヘム・ブンティン選手。どちらの選手がカンボジア国民にとってより良い選択となるのか、カンボジア陸連の判断に注目が集まります。
轄kエ翻訳事務所 スポーツ翻訳担当:佐々木 |