翻訳家によるコラム:政治経済・アート・スポーツコラム

政治経済・アート・スポーツコラム by佐々木
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2012年01月16日
野田政権の内閣改造について

こんにちは。轄kエ翻訳事務所で政治分野の翻訳を担当している佐々木です。

今回のテーマは、1月13日に行われた内閣改造(cabinet shuffle)についてです。

野田政権が発足してから4か月が経過し、内閣改造に踏み切りました。参議院(House of Councilors)で問責決議を受けた一川保夫防衛相と山岡賢次消費者行政担当相の2人を始め、5人の閣僚が交代となっています。1月24日に開始する通常国会(ordinary session)を前に、問責決議を受けた閣僚が内閣に留まっていては政権運営に支障が出るとの判断から改造に踏み切ったと見られています。

新内閣では岡田克也前幹事長が副総理(deputy/vice prime minister)となり、社会保障と税の一体改革を担当します。岡田副総理は消費税の増税推進派であり、公務員の人件費削減や社会保障費の見直しなど、各種政策の党内調整だけでなく、野党との協議でも重要な役割が期待されています。また、防衛相に田中直紀氏が、消費者担当相に松原仁氏が起用されましたが、2人とも小沢一郎元代表に近く、民主党内のバランスに配慮した人選も垣間見えます。しかし、田中氏、松原氏とも大臣としての実績には乏しく、その行政手腕は未知数となっています。

野田首相自身は今回の内閣改造を「最善かつ最強の布陣」と評していますが、政権発足以降、内閣支持率(cabinet approval rating)は下落の一途をたどっています。野田政権にとって、24日からの通常国会が正念場となることは必至でしょう。

轄kエ翻訳事務所 政治翻訳担当:佐々木