Global communication
20年ほど前までは、職場や大学においても、パソコンが一人に一台という環境ではありませんでした。インターネットへの接続もまだ電話回線を使用したアナログ接続で、インターネットに接続していると電話が使用できない、という不便なものでした。当然、接続中の料金は通常の電話料金と同様で、現在のような「つなぎ放題」というサービスからは程遠く、通信速度も現在最も使用されている光ファイバーの何千分の一、という今では考えられない遅さでした。そしてこの20年の間に、技術面における飛躍的進化のおかげで、アナログ回線では不可能だった動画配信までが可能となりました。YouTube上の動画は、今やテレビ番組の中でも取り入れられることもあり、一般ユーザが気軽にアクセスできる動画サイトが主流となりました。このため、インターネット環境だけでなく、動画などの大容量データを処理できるパソコン側の環境もこの数十年で大きく進化しました。また、モバイル分野でもスマートフォンの台頭により、これまでの通信環境の常識は一変しました。このようにユーザから見ただけでもミレニアム以降の技術革新は目覚ましいものですが、実際の開発現場は想像をはるかに上回る速度で目まぐるしく変化しています。この業界で使用される用語は日々変化し、増えていく一方です。当社では、この分野に関する理解を深めるとともに、新しい知識の習得も積極的に行なっています。
この分野では、技術者同士のやり取りは簡単なものであれば、当事者同士が英語で行うのが通常ですが、詳細な内容に関しては、確実な翻訳が必要となります。しかし前述のとおり、技術者は技術用語や名称に関しては熟知しており、翻訳する場合、他の文書に比べ多くの用語を訳さずそのまま表記します。ただし、プレスリリースや製品紹介など、一般的な読者が読むことを想定した場合、技術用語や名称に併記して注釈をつけることもあります。このように、他の分野でも言えることですが、読者の性質を理解したうえで、その特性に合ったかたちで翻訳していく、というのも私たちの大事な仕事です。
|